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1日8時間寝るとして・・・・・・・・

映画『ノマドランド』サヨナラは言わない終わりなき旅

 タイトルを変えてみたものの、肝心の記事の内容は全く変わりない。映画よりも、映画館にあった中間水平部付きエスカレーターのカッコ良さの方が頭に残っている。そして紙コップ自販機で買ったデカビタとカルピスソーダ割りの美味さ。映画を観だことよりも、それ以外の部分の印象がはっきりしている。いまいち好みの映画ではなかったようだ。

 時間があるから観ようというのは当分控えたほうがいいのかもしれない。今回のチョイスの流れはこうだった。モンスターハンターはやったことないしハード過ぎる、エヴァンゲリオンも知らない。それで、どうせ観るなら字幕映画となると今やってるのだったら『ノマドランド』に落ち着く。薄っすらと予告は覚えているし、明るくハッピー、爆笑が止まらないという感じはしないけれど、アカデミー賞ノミネート作品なら失敗はないだろうという打算も働く。

 ノマド遊牧民という意味で、ノマドワーカーなんて単語もちょっと前には大流行りしていた。いつも空き席がなく飲むのを諦める最寄り駅のスタバにたくさん居る、パソコンをカタカタスマホを充電している、店内が混んできたから席を譲るなんてしている場合じゃないんですよこっちはみたいな人たちもノマドワーク中なんだろうか?私は勝手にメンタルおばけと呼んでいる。でランドはディズニーランドがまず頭に浮かんで、でも土地のことの様な気がして、遊牧民たちのランド?人がたくさん集まっている場所が話の中心なの?みたいなことを考えていた。

 いつも通り論評するほど詳しく書けないし、観てない人に余計な情報を入れて欲しくないので、ざっと振り返る。(書いてから付け足すが、思ったより話の筋に触れちゃってるので聞きたくない方はここでサヨナラです)アメリカの大自然に自分がいるのかと錯覚するぐらい映像が美しく、環境音がリアルだった。開始50分ぐらいのところで約10分気を失ってしまったが、それは作品のせいだといっても怒られないだろう。アスファルトを毎日歩き、面白い看板を見つけるとふっと笑うような生活をしている私はアメリカの大地に吸い込まれてしまっていた。同じ地球とは思えないほど圧倒的な広さがあった。

 もう一つは、主人公の女性の逞しさだ。身体が大丈夫なら年齢なんて言い訳にせず(作品中ではっきりと彼女が年齢を口にすることはなかった)、重労働をし、旅をして、ところどころで人と触れ合うも基本的には独り。LIFE IS JOURNEYをまさに実践している彼女の生き方には学ぶべきことも多かった。

 最後は、これが現実に起きている社会問題であるという点だ。家がないから車中泊生活を余儀なくされている人達がいる現実。そして安価な労働力として企業に使われていること。光に照らされている大地でのびのびと助け合って生きている彼らの裏にある社会の暗い部分も描かれていた。

 私は映画館で観てよかったと思うが、正直なところ公開された今こそ観るべきとまでは思えなかった。テレビで放映されるのを待つのも悪くない気もする。