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1日8時間寝るとして・・・・・・・・

「東大教授が教える独学勉強法」

最近顎が痛い。体のゆがみが原因なのか、スマホの画面に熱中しすぎているのが原因なのかよくわからない。

よくわからないことを、検索するとそれらしい答えがすぐに出てくる。で、自分に合った意見が書かれている記事を見つけて分かった気になる。自分の頭で深く考えるという行為はそこにはない。ググれば分かった気になる。私は気づいていながら、楽だからなーという理由でやめない。私は怠惰な人間だからだ。人が切り貼りした情報を眺めるだけで十分満足していると自分に言い聞かせている。深く考えて自分の中には何もなかったとはっきりされるのが怖いからなのかもしれない。情報が少ない方が自分で考えられるなんてことはよく言われる。高度情報化社会に生きる私は絶えず情報が目に入る。最近は動いている情報が多い。止まっているものを見る機会はどんどん減っている気がする。電車に乗っていても以前みたいに中刷り広告を見て芸能人のゴシップネタを知るということは少ない。都会を走る電車は広告動画で埋め尽くされている。電車の中では皆が画面とにらめっこする。

「東大教授が教える独学勉強法」を読んだ。他の人の手に渡る前に感想を書いておきたいと思う。まずなかなか魅力的な帯であった。通信制大学から東大教授になった著者?そんな経歴を持つ人がいるのかというのが率直な感想だ。独学で学びましたというフレーズがカッコいいと思う私にはぴったりの本ではないかと。

幅広い読者層を想定されて書かれているだけあって、誰でもすらすら読み進められるような言葉で書かれている。流行りの難しそうなカタカナ言葉もほとんど出てこない。

一貫して書かれているのは自分の頭で考えることの重要性だ。社会に出ると高校生のころまでとは違い、答えのない問題に立ち向かわなければならなくなる。先生に教わったことをそのまま再現していれば褒められるということもなくなる。どんな人でも自分なりの成果を吐き出すことが求められる。よりよい成果を生むためには自分で試行錯誤しながら学ぶことが必要だ。将来が見通せない時代だからこそ、自分が知らないことを知ろうとし、自ら調べ、まとめることの重要性が高まってきている。著者はネットの情報を使うことを否定していない。ただ大切なことはネットで情報を得ているだけでは何も得られていないということ。大切なことほど人に聞くべきだという意見も書かれている。

即席生産、即席栽培の時代だからこそ得られた知識や情報を自分の中でじっくり熟成させ、オリジナルな考えや発想を生みだしていくことが大事だという一文に著者の伝えたいことが凝縮されていると感じた。

私もゆっくりと様々なことを学んでいきたいと前向きな気持ちにさせてくれる本だった。

最後にこの本について批判する点があるとすれば、独学のマイナス面がどうもはっきりと書かれていないような気がした。著者は日本のいわゆるお受験勉強というものを経験していないからなのかもしれないが。